復活した『わらべ』の経緯
昭和59年創業 老舗の串かつの店 『わらべ』は長年に渡り夫婦で切り盛りしてこられた地元の常連客の大変多い人気店でした。ところがある日御店主の奥様が御健康を崩された事がきっかけで愛情深い御店主が奥様を気遣い、平成30年4月に開業以来34年間の幕を下ろしました。
話は変わり後にわらべの次期店主となる私、井坂は長年勤めてきた飲食業界から離れ、ある会社で外回りの営業担当を任されていたのです。御店主本庄氏がその会社の私のお客様であった関係で閉店の事実を本庄氏より直接お聞きしました。
私の営業担当している地域のお客様のお店が一つなくなることになるわけです。過去に街の本屋さん、豆腐屋さん、金物屋さんなど時代の流れに逆らえず閉店する事にしたお客様を沢山見てきました。長い歴史に幕を下ろすのは切なくもあり淋しくもあり、そして地域で愛された老舗が無くなるのはもったいないと率直に感じました。
そしてお話を伺ってから数日間その事が忘れられなくなりました。何故なら私はちょうどその時期残りの人生の過ごし方についてどうあるべきか考えていました。様々な書籍を読みあさり自分の可能性を信じて独立起業をするべきか或いは現在の会社に居続けるべきか迷っていた時期でした。
私は悩んだ末に決断する事にしました。是非御店主よりご指導いただきお店を私が引き継いで復活させたいと心を決めてお願いに上がりました。過去にも様々な飲食店勤務経験はありましたがいざとなると独立起業が漠然と怖くて躊躇していた自分に気付きました。しかし以前からよく存じ上げていた御店主と奥様のお店『わらべ』の閉店の出来事が私の心を突き動かしたんです。